舞台「キングダム」を観てきました

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2023年2月5日に開幕した舞台「キングダム」を観てきました~

これまでもかなり、「まさか」な作品が次々と舞台化されていたので、不思議はないっちゃーないんだけど・・・キングダムが舞台化されると発表されたときは驚いたよねw

私の愛する小西遼生さんも出演されることがのちに発表され、もー絶対見なきゃじゃん!と決めておりましたとも。ええ。チケット取りは難儀でしたけれども。


さてキングダム、原作漫画は現在67巻まで刊行。我が家では旦那さまがファンでございまして、わたくしも読んでおりますわ。

中華統一まではまだまだ長くかかりそうで、完結するころにはいったい、何巻になってるんでしょね~

その長い原作の中で、舞台版のストーリーはだいたい、山崎賢人さん吉沢亮さん主演の映画1作目と同じで5巻まであたり。

なのであらすじは省略・・・みんな知ってるよね?w

映画版との違いは紫夏のエピソードがあることでした。

これがね~、ものすごく良かった!

のちの始皇帝となる嬴政(えいせい)は敵国・趙で生まれ育ち、およそ皇子とは信じられない扱いを受けている。(なんせ秦は先の戦争で趙の人間を40万人も生き埋めにした

しかし父・子楚の即位が決まったため秦に戻ることになり、それを命がけで手伝ったのが紫夏(しか)。

凄絶な生い立ちから感情も感覚も失った嬴政が、「こんなふうに壊れた自分が王になどなれない」と苦悩する場面があること

紫夏が育ての父から授かったという「恩恵はすべて次のものへ」という言葉というか思考を嬴政に伝えること

これらのシーンがあることで、嬴政の人物像もクッキリするし、無謀ともいえる「中華統一」に突き進むのも納得なわけですよ。感心することしきり。

いやーほんと良いわ!

 


舞台上なので映画やアニメのような人数配置はできないし、正直もうちょっと頭数いてほしいーって場面もなくはない。

それでもアクションと芝居の熱さで圧倒されます!

帝国劇場で上演ってことで、最初はミュージカルなのかと思ってたのよね。そうではなくストレートプレイでございまして、でも生オケ入ってるんですよ!

壮大な音楽と、無音の緩急がとても好き。どちらのシーンでもずしんとくる重みを感じます。

 


原作キングダムの魅力は、下僕から将軍へと駆け上がる信のサクセスストーリーと、文字通り「マンガ」な強大な敵キャラクターだと思うのね。

そして史実では成し遂げられたことが分かっている「中華統一」が、この物語の中でどう進むのか。

これがめちゃくちゃ興味をそそられるんだと思うんですよ。

中華統一を成した始皇帝については、不老不死の薬を作れないと言った学者を生き埋めにしたとか、秦が認める正しい書物以外をすべて燃やしたとか。

そういう激しいエピソードが多く残っており、残虐な暴君として知られてるけど、キングダムを読んでると人物像が違って見えるのよね。

もちろん、史実を元にした「おはなし」だからさ、若いころは本当にこういうふうだった、とは言えないけど。

この舞台版では、原作のそういう点が強調されていて、嬴政がなぜ王位にありたいのか、にスポットが当てられてるように感じましたよん。

もちろん、信が亡き親友・漂と目指していたとおり、自らの腕一本で将軍への道を駆け上がる、その最初の一歩であるところも強く、熱く感じます。

少年たちの強い思いが大人たちを惹きつけ大局を動かしていく。その流れを原作に忠実に丁寧に作っているので、前知識ナシでもわかりやすいんじゃないかしら。

ヨーロッパの古典的ミュージカルも好きだけどさ、こういう作品が帝劇でかかるのはいいよね~

ところで始皇帝といえば兵馬俑(へいばよう)だけど、つい最近まで上野の森美術館で展示があったのね。知らなかったー行っとけばよかった・・・

 


ライティングや美術セットも、シンプルながらダイナミックで物語にピッタリ。そしてさすが帝劇公演でございまして、衣装がとにかく美しい!

信は下僕姿だし、山の民のみなさんは半裸ですけどもねw

そういや若く美しい女性のみなさんより、昌文君や竭氏など宮廷のおじさま方の衣装が豪華で美しいのもこの作品ならではだなぁ。

 


キャストについて少し。

主役じゃないけど私の愛する小西遼生さんについて真っ先に言ってもいいですか。

原作では昌文君はかなり暑苦しいおっさんなので、その役と聞いて最初は「は?」って思ったのよ。

でもね~これがあなた、めっちゃ良かった。もちろん若々しい役ではないけど、文官姿は美しいし威厳もある。そして何よりアツい。熱くて篤い。

現在は宮廷の文官という地位にあるけれど、そもそもは武将として名をはせた昌文君、たしかに遼生さんピッタリじゃん。配役したひとだれ!?褒めてあげるから出てきなさい(手のひらクルッ

信と嬴政が出会うキッカケを作る人なので、冒頭に出てくるだろうとは思ってましたが・・・タイトルバック&後ろ姿という場面があるのもファンには胸アツでございます。ありがとう東宝さん。

特撮アクションドラマの主役を張った人ですからね、アクションできるのは当然ですし、剣さばきが美しいのもこちとら百も承知。

しかし!ターンをキメながら長モノを操る殺陣は予想外の美しさ。めっちゃ素敵です!

病気のせいでなく加齢による体力の衰えでゼイゼイいうこれまでにない芝居も観られます
(いたぶられて・・・とか病で・・・とかはね(ある((よくある

エエ声で繰り出す「わが王に何の真似だァ!」も、ブヘブヘいう男泣きもイイ。

けど私にとってのいちばんは信に向けて言う、「こんなはずではなかった」ですね~

作戦の失敗を悔いたニュアンスでなく、そのことで漂という、信にとって無二の友であった優秀な若者を失ってしまった悔恨。

宮廷の文官である彼が、下僕の信に向けてこれを発することの重みと、昌文君という人物の解像度が上がる瞬間。

もーだいすき!

あとね、山の民に扮してる時のお面が、まるでアイアンマンのプロトタイプみたいなのがツボですw

 


信は三浦宏規さんを先に観た。この後の予定はぜんぶ高野洸さん。
三浦さんといえばレミゼのマリウス、千と千尋のハク、と帝劇でしか観てないな私w

ハクの時に身体能力の高さにビックリしまして、キングダムでは信と聞いて納得。すごいよね~バレエで培った体は。飛ぶと高いし!さすがの体幹!!

アクションだけでなく丁寧な心理描写も好き。

漂がいた時、失った時、託された自覚をもって先に進む時、それぞれの表情や声色の変化がこちらに伝わってきて「がんばれ信・・・!」って気持ちになる。

高野さんは少年漫画っぽいね。粗削り感があってこういう演目の主人公にピッタリだなーと思う。こちらも身体能力すごい~

 


嬴政のおふたり、牧島輝さんは原作のイメージにかなり近いと思った。お顔の感じも。

声もすごくイイ~すき~

若いながらも気高い大王という風情で、威厳がありました。

小関裕太さんはかわいらしい外見からは意外に感じるほど男くさい嬴政でした。子ども時代がよみがえり苦悩する姿がなんとも痛ましく悲しい。

おふたりとも殺陣が美しい!気品があり舞のよう。漂との演じ分けもすばらしいです。

 


河了貂は川島海荷ちゃんも華優希さんもかわいらしい~!活舌が良くてチャキチャキで、ちゃっかりしてるテン。ふたりとも美女なのにあの衣装。ジワるwそして暑いだろうな・・・

楊端和はまだ、美弥るりかさんを観れてない。はよ観たい。

梅澤美波さんは見た目がもう、漫画のまんまじゃないですか?!それだけじゃなく声に迫力もある。あれは原作ファンも歓喜ではないか。

大将仮面のおっさん(by信)からの美女出現は何度見てもイイw

 


壁のおふたりはなんか対照的に感じる・・・どっちも坊ちゃんフレーバーはありつつ、有澤さんは頭脳派、梶さんは武功派に見えました。

ただね、梶さんはなんだか女性っぽく見えるのね。お顔の丸みや優し気な雰囲気からなのかな?

なのに腕っぷしが強そうなのがちょっとおもしろかった~

成蟜はおふたりとも憎々し気で良かったです。クッソガキwww

この場では決して儲け役じゃないけど、成蟜ってこの後なかなか良い感じになるのよね。原作を読んで泣きましたわたし。


紫夏は朴璐美ねえさんと石川由依さん、どちらも気風のいい凛とした紫夏でした。

おふたりとも声質が似てるのかな。璐美ねえさんの方が強そうで色っぽいですね。

アクション部隊長(?)の早乙女友貴さんは殺陣が、舞ってるみたいなんですよね~。

もっと激しく動くこともできるんだろうけど、正確無比な動きと、ビッと止まる静止像がいかにも人斬り左慈です。うっっつくしい!

余談ですけど映画版で左慈を演じた坂口拓さんが気になった方がいらしたら、彼の初主演作「VERSUS ヴァーサス」を観てください・・・わたくし一時期夢中でございました

元木聖也さんは朱凶とバジオウを演じてました。アクロバティックな動きもさすがですが、朱凶の命乞いもうまいし、バジオウの特徴的な立ち姿もバッチリでした。

SLAPSTICKSの時とあまりにも違うんで驚くよね。役者ってホントすごいわ~


王騎将軍はかなり、演じる山口祐一郎さんのカラーが入ってると思うw

セリフは原作通りなんですけどね~。

大将軍なのにひとりで歩いてるのがわたくしにはちょい不満。騰はどうしたトウは。

竭氏と昭王は壤晴彦さんが演じておられます~イイ~場が締まる~!

 

そんなこんなで息切れしながら楽しんでおります舞台キングダム。5月までの長いツアーもあるし、最後までぜひ演じ切っていただきたいです!

あー早く次の観劇日こーい。

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