2022年1月~2月の舞台感想

前回に続きまして、2022年に入ってから観たお芝居の感想を駆け足で綴ります

(今年こそ1作ずつちゃんと感想書こうと思っていたのに このていたらく

hana~1970、コザが燃えた日

沖縄といえば?

青い空、お天気を映して刻々と色を変える海、熱い日差し、ソーキそば。

そんな感じでのんきに「好き~また行きたーい」と言っちゃう土地なんですが、歴史とか現状とか、知れば知るほど単純に「いいとこだよね~」とは言えない気持ちに。

この芝居を観たあとも、何をどう言い表したらいいのか全然わかんない!!なんか無性に虚しい!!となりました

1970年当時、本土では戦争はとっくに終わって、

♪戦争が終わって~ぼくら~は~生まれた~ なんて曲がヒットしてるけど

沖縄じゃ誰も戦争が終わったなんて思ってませんよ。ってセリフからもう刺さる刺さる。

質屋兼飲み屋のママ(余貴美子さん・大好き!)とただひとり血の繋がった大事な娘は、米兵に乱暴され殺されて、相手は無罪放免。

それでも米兵相手の商売を続けるしかない。

その気持ちは いかばかり・・・と想像するだけでもつらい(痛

でもね、何より腹立たしいのは「同じ日本人」といいつつ、沖縄の問題を余所のこと、としか捕らえてない「本土の日本人」なんだよね。

劇中にそういう立場の人が出てくるわけですけど、これがそっくり、自分の姿に見えて嫌気がさしてくるんですよ。無関心無神経。それが私たち。

そう突きつけられたようでとても辛かったです。

沖縄のことを考えるひとつの入り口として、ちきりんさんのブログを読んでみるのもヨシ

知らなくていいことじゃないですよね、これ。本当にそう思う。

だからビリーは東京で

蓬莱竜太さん作・演出、モダンスイマーズの公演ってことで行きました。

これ、ちょうど「hana1970コザが燃えた日」と同時期に、同じ東京芸術劇場でやってまして、ちょうどいいや~ってマチソワして観たんですよ。

結果、涙腺が壊れてえらいこと顔が腫れました(笑)

悲しい話じゃないんですよ、全然。いやツラさはあるけど。

笑っちゃうとこも多いし、「ああ・・・わかる・・・けどイタイ・・・」的にモジモジするとこも。

しかしその「わかるけどイタイ」が頂点に達する時、ずっと身体の中にいた「あの頃の自分」が揺り動かされて泣いちゃうんです。

ビリー・エリオットを観て役者を志し、小さな劇団に入った青年のお話。劇団は崩壊寸前で、一見仲良くしてる劇団員同士にも色々ある。

そして青年には、家族の問題もあって・・・って話なんですけど、提示される問題がいかにもあるあるで、本当に身近にあるよねコレって話なんですよ。

それだけにすごく身につまされる。

何かになりたい。何かを表現できる人になりたい。圧倒的な何かに、いつかなりたい。

でもたいがいは何にもなれなかった自分として生きていく。後悔ばかりじゃないけど、ずっと「思う存分やれなかった」ことが自分の中に残ってるもんなんですよね。

その気持ちと折り合いを付けて日々を生きているんだよな、って思いながら腫れた顔で埼京線で揺られ帰ってきました。

ミュージカル イントゥ・ザ・ウッズ

まーーーーとにかく評判が悪くて悪くて(笑)ちょっと身構えて観に行きましたよこれ。

でもね、私は楽しめました。確かにミュージカルなのにお歌が~という点はありましたけど・・・

私がソンドハイムに思い入れがないから平気なだけかしら?w

芝居がまったく成り立ってなかったらダメだったと思うけどね。そんなことはなかったし。

望海風斗さんがもうすんごい良くて、あと福士誠治さんも!

美術もライティングも、酷評してる方もいらしたようですが、それほどじゃなかったと思うな~。

ただひとつ感じたのは、色んなジャンルから出演者を連れてきちゃったので、場面によってコラージュみというかモザイクみというか?

ヒキならそう見えるけど、じっくり見たらあちこち継いだ感は否めない、って感覚はありました。

あと、熊林さんの演出では「お気に召すまま」でも思ったんだけどね、淫靡さを強調するところがあって。

今回もそれを感じるとこがありました。

ミルクマンの朝は早い

ミュージカル魍魎の匣で気になった、イッツフォーリーズの方々が出演されるというので観てきました。

育成公演ってことで若い出演者が多いし(技量もけっこう、差があったように思う)、お客さんもそう多くはいませんでしたが楽しめました。

お話はベタというか、青春群像的なアレ(どれ

若さ故の迷いとか過ちとか、将来への不安とか大人の分別とか。大学生の無為に見える日々と、その中で変わっていく大事なこととか。

70年代の話なんで、めっちゃ懐かしいワードに溢れてましたw

匣ミュでは同世代だった神澤直也さんと吉田雄さんが、甥っ子と叔父さんだったりして面白かったわ~神澤さんはダウナーな若い人ハマりますねw

神野紗瑛子さんはキレイで生意気な女学生が似合ってて良かったです。滑舌と声が良くて気持ちいいのよね~。

あと、この公演ですごく気になったのが仁木祥太郎さん。今後チェックしたい。

マーキュリー・ファー

これね、初演のチケットが取れず(髙橋一生さんと瀬戸康史さんでシアタートラムで上演)、見逃した作品だったんです。

今回やっと観られる!って喜んだんですけど・・・

観た後ね、

「これをトラムの距離感で観たら間違いなく病んだな」

と確信。命拾いした(?)

今回もS席は取れず、3階A席で観たんですがね、舞台から距離があるのに迫ってくる迫ってくる・・・!

劇中の時間の経過と、実際の時間経過が同じなのね。それだけに今、劇中で起きてることにすごく緊張する。

ほぼ真っ暗な中、懐中電灯の明かりだけで始まってから、窓に打ち付けられた木片を取り除くと部屋がどんどん明るくなって情報量が増えていく。

それがまた緊張感を呼ぶ。あんなにヒリヒリ怖い芝居は初めてかも。

お話はいわば極限状態のファンタジーでもあるんだけどね。

実際に内乱が起きてる場所ではこれと同じ事が行われているのだろう、と想像できる苦しさ。

戦争で壊され傷つけられるのはいつも市井の人々だってことが、イヤというほど突きつけられて苦しい。

原作設定ではエリオットとダレンの兄弟は10代後半、パーティゲストの歪んだ欲望のために用意されたパーティプレゼントは10歳。

後に実はエリオットとダレンの母だとわかる「姫」も40手前と、若い女子どもしかいない世界で泥沼を這うようにして生きる、それが戦争の現実だと思い知らされる芝居でした。

平和だった時の記憶があり、正気を保っているのはエリオットとスピンクスだけ。そのふたりが劇中の誰よりも苦しんでいるのが、印象的でした。

平和な日々はもはや神話のように遠い遠いもので、「自分で決めて死ねる」ことが幸福な世界。

そんなところへ向かいたいのかと問われているように感じました。

すごく辛かったけど、3月に配信があるんでまた観ちゃうと思います・・・

*****追記*****

配信期間が変更になりました。4月だそうです~

ビュー・アップステアーズ 君が見た、あの日

思った以上に“マイノリティへの弾圧と、コミュニティ内での分断”が明確に描かれていて、なかなかしんどい作品でした。

1970年代に実際に起きた事件の場所に、現代に生きる青年がタイムスリップする話。

出てくる人物の中で、性的マイノリティじゃないのはフレディのママ、イネズだけ。

なんだけど、多様性を受け入れてるはずのマイノリティ同士でも、それぞれ立場や考えが違ってる。もめ事を起こしやすいヤツは弾かれがちで、それがより大きな悲劇を呼んでしまう。

その「もめ事を起こしやすい弾かれるヤツ」を東山義久さんが演じられてまして、いやいやもの凄く良かったです。

ああいう、威勢も良くない、卑屈で不健全な感じは初めて観たと思う。惚れ直した。

小関裕太さんは初めましてだったけど良いですね~!中性的でキレイだったし、凜とした佇まいが役に合っててステキでした。

壮ちゃんにはもっと踊って欲しかったな~

岡幸二郎さんの高貴なゲイがも───ツボでツボで。素晴らしかったわ!!

当時、今でいうLGBTQがどれだけ差別・弾圧されてきたかを描きつつ、余所の話にしないのが、さすがアメリカって感じです。

これもまた後日、配信がありますね。

曲もすごく良かったですよ~!

ミュージカル ボディガード

新妻聖子しか勝たん。以上。(こらこら

初演は観劇予定していたのに中止になってしまって、泣く泣くチケット払い戻しましたよ。

今回仕切り直しで2年越しに観られました

ま~気持ち良かったわよ歌声!!

そして予想よりずっとちゃんとドラマになってて良かった(何様発言

ストーカーとステージ上のレイチェルがニアミスするとことかさ、舞台でどう表現するんだろと思ってたの。巧い演出でした。

映画とは筋の運びもちょっと違うんで、サスペンス色は薄かったけどね。

そう、大谷さんがすごく無骨で、語弊を恐れずいえば「アメリカが目指す強く優しい男」で良かったんですよ~。

映画より人物像が良かったと思う。私がケビン・コスナー好きじゃないからかもしれないが ←

華やかでゴージャス、ベタつかないロマンスの加減もちょうどよく、楽しみました~

てなわけでざざっと感想でした~!

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