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舞台「FUN HOME」を観てきました

シアタークリエで2018年2月26日まで上演中の、Musical「FUN HOME(ファン・ホーム)」ある家族の悲喜劇を観てきました。

ちょっとクセのある、でも見応えもある作品を多く上演するクリエで。小川絵梨子さん初めてのミュージカル演出というのに惹かれて行きましたよ、ええ。

日本にももちろん色んな家族がいるけど、多人種国家であるアメリカには、もっともっと”色んな”家族がいるんでしょうね。

主人公、アリソンが思い返す子ども時代・大学生時代も、現代とはちょっと違うからよけいにそう感じる。

家が葬儀屋で、お父さんはご遺体の処理もしてたり。高校教師も兼ねてて、古い家を修繕し、磨き上げてたり。

日本人感覚だと、お父さんの職業はふつう、ひとつだよなぁ・・・ってなる(笑)

お話はだいたい、こんな感じ。

 

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漫画家のアリソン(瀬奈じゅんさん)は43歳。彼女が大学1年の時に自殺した父ブルース(吉原光夫さん)と、同じ年代になった。

アメリカ・ペンシルベニアで実家の葬儀屋を継ぎ、高校教師もしていたブルースは、古い家をたったひとりで改築し、古い家具を修繕するのが得意。

彼らの家は、父であるブルースの美意識そのものだった。

母ヘレン(紺野まひるさん)、アリソン、弟たちは、ブルースから服装や立ち居振る舞いも完璧を求められていたが、子ども時代は概ね平和に暮らしていた。

ブルースとアリソンは芸術と文学を愛し、その解釈を語り合うなど理解し合う親子でもあったが、他のことでも似ていた。

それは、ふたりとも同性愛者だということだった。

大学生時代に恋人ができて、はっきりと自覚し周囲にカミングアウトしたアリソンに対して、父ブルースはゲイであることを隠し続けた。

しかしその一方で、ブルースは男を求め続け、未成年を誘うなどトラブルも引き起こしていた。

事故死とも、自殺ともとれる死に方をしたブルースの年代になり、アリソンは考え続けていた。

父はなぜ、死んだのだろうか。

子ども時代、大学生時代と、記憶をさかのぼりながら、アリソンは父の想いをたどっていく。

↑↑↑↑↑ ここまで ↑↑↑↑↑

 

お芝居観た後、どうしても原作が読みたくなって、クリエのロビーで買い求めましたよ

劇場の近くのカフェで読みふけりましたわ。

とてもじゃないけど短い時間で斜め読みできない作品で、一コマ一コマ隅々までじっくり読みたくなり、帰りが大変遅くなりました(笑)

 

前評判でよく耳にしたのが、「父も娘も同性愛者、ってとこがヘンに切り取られて意識されてるんじゃないだろうか」というもの。

そこも大事なポイントではあるけど、そういう話じゃないからね、って色んなとこで色んな人が念押ししてたのよね。

観てみるとたしかに、同性愛がどうのこうのって話では、全くなかった。

学生時代のアリソン(大原櫻子さん)が、自分がレズビアンだと認識して、初めて彼女ができるところなんて、もう可愛くて可愛くて!

高揚と幸福、興奮と不安は異性愛者の私にも覚えがあること。人を好きになる気持ちは、どんなカテゴリの人でも同じなのよね。

そしてこれまた前評判でよく耳にしてた、「これは私の話だ、と感じる」。

これもホントにその通りで、環境やら家族構成やら、親の人間性とか自分自身の生い立ちとは全く違うのに、ふとリンクする瞬間があった。

私の場合は母との力関係が逆転したときのことを思い出したなぁ。まざまざと。

アリソンとブルースの関係が逆転する場面なんてないのよ。でも想起させられた。面白いもんですね。

 

ブルースは家を磨き、家具を磨き、自分自身も磨いていて、美意識を高く持って暮らしてた。

完璧な空間、完璧な家族。でもその内面には、自分がゲイであることに対する「羞恥心」も同時に満ち満ちてる。

そこが、娘のアリソンとは決定的に違ってた。

隠すことでにじみ出てしまう惨めさと、カミングアウトした娘に対する憧れにも似た感情が、ブルースを引き裂いたのかな・・・。

同性愛者であることを両親に告げ、それがきっかけでアリソンは父親がゲイであること、男の子関連のトラブルでカウンセリングを受けていたことを知る。

このへんの描写はね、直接的じゃないのに、けっこうエグかった。光夫さんがうますぎて憎らしくなってくるんだけど、妙に哀れにも感じてくる。

ブルースに誘惑されて応じる子、おびえる子、複数の役をひとりでこなした上口耕平さんもうまかった。特に、子どもたちのベビーシッターでもあったロイ役が良かったですね。

 

現在のアリソン、を演じた瀬名じゅんさんは、ずーっとステージ上にいるんですよ。自分の記憶をたどりながら、嬉しそうに微笑んでたり恥ずかしがったり。

そして父親との、邂逅のチャンスだったかもしれないドライブ。

すごく好きなシーンでした。

家族だからといって完全に理解しあえないのは、当然のこと。ひとりひとり、違う人間だからね。

親自身が人として「そうであったら良かった」と感じている通りに娘が育っても、そこに喜び以外の感情が湧き上がってしまったり。

嫉妬とか。

自分の育ってきた環境のこと、自分の親のこと、そして今現在の自分のこと。色々と想起させられる作品でした。

原作漫画もすごく良かったですよん。

  カテゴリー:観劇・映画  



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