舞台 漂流劇「ひょっこりひょうたん島」を観てきました

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シアターコクーンで上演された、漂流劇「ひょっこりひょうたん島」を観てきました。

息子と一緒に観に行ったけど・・・難しすぎた(笑)

動きや声色で、笑っちゃうシーンが多いんだけど、浮遊感がすごくて、不安定。さすが「漂流劇」と銘打っただけのことはある。と思いましたわ。

心の底から笑える感じじゃなくて、スッキリしないの。でも不快なわけではなくて・・・ほんとに浮遊感がある、と感じたのよね~。

昔の人形劇のひょっこりひょうたん島は、忘れて観たほうがいいと思う。ひょうたん島にもあったエピソードが出てきつつ、コラージュされたように見せられるので、大筋はあるけど話が進んでいるのか分からない。

その分、深読みし放題なので、分析好きにはたまらないかもね(笑)

 

役者さんひとりひとりの肉体表現が、すごく良かった。回転する舞台の上で、時に移動しながら、時に止まりながら暗示的な動きをするんだけど、セリフと連動してる時もあれば、してない時もある。

これは難しいだろうなーと思いながら観てました。

期待していた安蘭けいさんと井上芳雄さんの歌声も、しっかり聴けて満足。芳雄くんは思いのほかコミカルで、とても楽しかった!

それにしても、グラマーな安蘭さんとか反則だよ(笑)セクシーなサンデー先生でしたよん。

あとね、わたくしの大・大・大好きな女優、白石加代子さんのドンガバチョ。たまりませんでした(笑)

「わかりました、わたくし、全力でオロオロいたします!」

つってオロオロするだけで、客席から拍手が起こる女優は他におるまい(笑)

 

パンフレットの記事からも、役者さんたちの戸惑いや難しさが伝わってきたわ~

 

お芝居は、ストーリーがあると思わない方がいいのかな。元のひょうたん島のストーリーは、こんな感じだったと思う。

サンデー先生と子どもたちがハイキングに行くと、ひょうたん火山が突然噴火し、島は船のように漂流し始める。

漂流中の島はいろんな場所へ流れ着き、そこでたくさんの出来事が起こる。

島にいるのは、子どもたちとサンデー先生、空からパラシュートで降りてきたお尋ね者のダンディ、上陸してきた海賊のトラヒゲ。そしてなぜかTVから飛び出してきた大統領のドンガバチョ。

ひょうたん島で、みんなが力を合わせて問題を解決していく。

で、最終的には悪い魔女に打ち勝って、また漂流していく・・・という話。

 

これが原作の井上ひさし氏が生前、講演会で「あれは子どもたちの死後の話」とおっしゃったとかでね。その話を踏まえると、お芝居の浮遊感というか、地に足がついてなくてなんとなく不安定な感覚に納得もいく。

でもね~、「この子たち、この人たちは死んでいる」と思いたくない気持ちもあって、より難しい気分になってしまうわね。

劇中で何度も繰り返される、光る雲や轟音の表現は、雷鳴なの?爆発音なの?

光る雲はキノコ雲にも見えるし、噴火や地震といった天災なのか、大人たちが起こした戦争なのか。

どんな風にでも受け取れて、どこにも着地しない。ノスタルジーではなく、ただ、漂っていく物語だったと感じます。

 

10歳の息子に観せるには、ちょっと難解すぎたか・・・と思いましたが、彼なりに楽しんだようで良かった。ひょうたん島のテーマは初めて聞いたと言ってたけど、帰りには歌ってた(笑)

印象に残る曲だもんね。

漂流劇ひょっこりひょうたん島は、12月の東京公演を終えて2016年1月は松本・大阪・福岡で公演。そして2月にまた東京で凱旋公演です。

どなたにもオススメ、とは正直言い難いけど、演劇ならではの浮遊感を楽しめるお芝居でした。

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