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舞台「8月の家族たち」を観てきました

2016年5月、シアターコクーンで上演された「8月の家族たち」を観ました。

麻美れいさん、秋山奈津子さん、生瀬勝久さん、橋本さとしさん、音月桂ちゃんと好きな俳優さんがどっさり。

そして演出はケラリーノ・サンドロヴィッチさんってことで、楽しみにして行きましたよー。

なんと2回の休憩をはさんで3幕あるという。退屈だったらツラいよ?と思いながら行きましたけど、そんな心配は無用だったよね。すっごい良かった。いやホントに。

家族だからこその遠慮のない物言いとか、親戚のわずらわしさとか、親子の主導権の入れ替わりとか。言ってしまえば血族あるある(笑)

ものすごいドライブ感で進んでいく物語は、本当に見事としか言いようがなかった。

そんな中でも何が一番すごいと思ったかって、日本で芝居を作るなら、たぶん着地しがちであろう

「母はやっぱり尊くて、愛しい」

という点に行かなかったこと。これホントすごい。家族としての救いを作らないのが凄いなって思った。

母親であるヴァイオレットには、ジョナという救いが見えるけど、家族は再生しないし結束もしない。そこがすごいと思ったわ。

他の演出家さんだったら、こうは着地してないんじゃなかろうか。

 

あらすじはこんな感じ。

 

オクラホマ州の、ある古い家。片田舎にあるこの家は、8月には気の狂いそうな暑さになる。

その家に住むのは詩人のベバリー(村井國夫さん)と、妻のヴァイオレット(麻美れいさん)。ベバリーは酒に溺れ、ヴァイオレットは持病の治療のために処方された薬を過剰摂取しており、まともな状態には見えない。

この家に家政婦として雇われることになったのは、インディアンのジョナ(羽鳥名美子さん)だった。ヴァイオレットは彼女を表面的には優しく扱うが、決して名前を呼ばず「インディアン女」と陰口をたたく。ジョナは賢く、優しい女だった。

やがてベバリーは失踪。家を離れていた長女バーバラ(秋山奈津子さん)が、夫ビル(生瀬勝久さん)と娘ジーン(小野花梨さん)を連れてやってくるが、この家族もギクシャクした様子。

ただひとり地元に残っていた次女アイビー(常盤貴子さん)は両親想いだが、両親に一番愛されているわけではなく、ヴァイオレットの思いやりのない干渉にうんざりしている様子。そしてアイビーは誰にも秘密の恋をしていた。

遅れて三女カレン(音月桂さん)も、婚約者のスティーブ(橋本さとしさん)を伴ってやってくる。魅力的だがカレンよりだいぶ年上で、胡散臭い印象のスティーブに、家族は皆、不審の目をむける。

やがてヴァイオレットの妹マティ・フェイ(犬山イヌコさん)も夫のチャーリー(木場勝己さん)と共に来た。ひとり息子のリトル・チャールズ(中村靖日さん)が時間通りに来ない、と怒るマティ・フェイ。

どうやらこの家族も、親と子の関係は良くないらしい。

それぞれが抱える問題や、母との関係が見えた頃、ベバリーの死体が見つかったと連絡が入る。葬儀を終えた後のテーブルに、一族みんなが着くが、その場でのヴァイオレットの暴言は、際限のないもので・・・

 

といった感じ。

登場人物が全員、なんらかの問題を抱えてるのも、男は全員よそ者扱いなのも、このお芝居ではなんとも言えず可笑しかったのよね。不思議。

メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの映画を観た時は、笑えるところなんて全くなかったんだけど(笑)

血で繋がった人間同士の、奇妙な関係性と執着は、以前観た「秋のソナタ」を思い出しました。あれも母と娘の話だったなぁ。
>>舞台「秋のソナタ」を観てきました(2013月12月11日)

 

家族って、素晴らしいものの代名詞みたいに言われるけど、実際にはそうとばかりも限らないのよね。幸い、私の家族は愛しい人たちで良かったと思うけど、世の中には

「それ、切って捨てたほうがいいと思うよ」

って感じる親子・兄弟関係もあるし。いや、本当にあるよね。そして、本当に安らぎになってくれるのは、他人だったりする場合もある。

このお芝居でも、結局家族すべてに捨てられたヴァイオレットは、それまで頑なに名前を呼ばなかったジョナの名前を呼び、すがる。そしてジョナはそんなヴァイオレットを優しく受け入れる。

親は、子どもが幼いうちは「親」だけど、子どもがある程度の年代になると、同列のヒト同士になっていくでしょう。そこで、親としてではなく、人としての評価が下される。わが子から。

おお怖い(身震)子を持つ身としては恐ろしい話だ。まぁ、うちは幸い息子だし、きわめて暢気ものなので、あまり深刻じゃないけど(笑)

 

しかし映画は全く笑えなかったのに、あんなに笑える話になるなんて、本当にびっくりした。台詞はね、考えたら別におかしなことは言ってないの。叫んだり怒鳴ったりも多いし、笑えないはずなんだけど・・・

間と視線で笑わされてしまうっていうね。秋山奈津子さん演じるバーバラが、末妹カレンの発言にビックリして振り向くとこなんて、ただそれだけなのに笑っちゃうの。

その顔は・・・!!って(笑)

役者の皆さんも素晴らしくて、本当に楽しみました。また観たい。もし再演があったら、妹を連れていこう。

長女の私とは、見え方が違うものなんだろうか。観た後じっくり話したいわ(笑)

  カテゴリー:観劇・映画  



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