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舞台「ア・フュー・グッドメン」を観てきました

天王洲銀河劇場で上演中の、舞台「ア・フュー・グッドメン」を観てきました。

原作は元々舞台演劇なんだそうですね。それをトム・クルーズ主演で映画化したのがヒットして、ご存じの方も多いと思われる作品。

私も映画は観たはずなんだけど、細かいことは忘れちゃったくらい昔だったわね~。

銀河劇場のみ、10日足らずの上演と規模の小さな公演ですが、見ごたえありました!

さてさっそくですがここからネタバレです。

これから観劇なさる方はご注意くださいね~

 

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舞台には背の高い金網。ぐるりを金網で囲んだ無機質なセットにそぐわない、物悲しい音楽が流れ始まります。

舞台の高いところを、下手からジェセップ大佐が現れる。哀しげな音楽は終わり、訓練中の兵士たちの足音と、歌うような号令が響き渡る。

大佐はガムを噛みながら、高いところでその訓練を見下ろしている様子。

決して大柄ではない田口トモロヲさんが、不気味なくらいの存在感を放つこのオープニングは、個人的にとても好き!

ライティングを使い、正面の金網にゆっくりと浮かび上がるのは星条旗。その前に、ノシノシとした歩き方でドーソン兵長が現れる。しばし星条旗のライトを浴びたドーソンが踵を返し、金網を舞台奥へ押し込む。

ドーソンが たくましく膨れ上がった肉体で、ジェセップ大佐がいる舞台奥に向かって金網を押し込んでいく様は、軍隊の厳しい規律、肉体的精神的な強さと、絶対の序列を感じさせました。

 

海兵隊員であるドーソン兵長(平埜生成さん)は逮捕され勾留中。就寝中だった小隊の部下、サンティアゴ一等兵を、殺害した容疑によるものだった。

裁判の弁護を任命されたキャフィ中尉(淵上泰史さん)は、ハーバード出身と高学歴であり、父親は高名な司法長官でもあったというエリート。しかし法廷経験はなく、これまではすべて事前取引で処理してきた。

今回もその手で処理しようと考えていたキャフィの前に、海軍法務総監部内部調査課の女性少佐ギャロウェイ(瀬奈じゅんさん)が現れる。ギャロウェイは この事件の背後には「コードレッド」と呼ばれる軍隊特有のリンチがあったのではないか、と考えていた。

お互いを信頼しきれないまま共に調査を始めたふたりだったが、調査の中で確かにコードレッドの存在が浮かび上がってくる。

しかしあくまでも何が真実かを明らかにしようとするギャロウェイと、証明できる事実を提示し、刑を軽く押さえようと考えるキャフィとは噛みあわない。

主任弁護士として、ドーソンの罪を軽くすることに注力しようとするキャフィは、友人でもある検察のロス大尉(小西遼生さん)と事前取引をしようと考えていた。

現地調査のため訪れたキューバ前線のグアンタナモ基地で、ケンドリック中尉(菅原永二さん)や最高指揮官ジェセップ大佐(田口トモロヲさん)と話すキャフィ。

あくまでも規律正しい軍人として協力的に接する大佐に、キャフィは額面通りの受け答えで去ろうとするが、ギャロウェイ少佐はコードレッドの命令があったのではないかと食い下がる。

それまでとは態度を変え、前線に立ったこともない2人を蔑視する言葉を放つ大佐。

絶対的権力で君臨するもの言いを聞き、キャフィもコードレッドの存在を感じ取るが、あくまでも被告の刑を軽くすることを考えていた。

しかし面会に応じたドーソン兵長は、刑の重い軽いは問題ではないという。自分は命令に忠実に従った。それは軍人として当然の行動だった。法廷が罪だというなら受け入れるが、自分から有罪を認めることは、海兵隊員の誇りにかけて出来ないのだ、と。

賢い選択をしろと迫るキャフィと、軍人としての誇りに生きるドーソンは理解し合えない。

負けるに決まっている法廷での弁論はできない、おりるというキャフィに、ギャロウェイ少佐は彼らにとって「命令」がどんなものなのかを考えろという。

始まった罪状認否の場で、キャフィは事前の打ち合わせに反して無罪を主張する。

裁判が始まってからもさまざまな障害が起きる。少佐の致命的な失敗、重要な証人の予想外の行動に、絶望したキャフィは すべてを諦めようとする。

だがまだ道はあった。コードレッドが行われたのであれば、それはトップであるジェセップ大佐の命令であったはず。キャフィは大佐本人を法廷の場へ呼び出し、自分の命令であったことを、大佐自身の口から言わせようと考える。

上級将校を軍事法廷の場に呼ぶのは、大胆な策だが危険を伴う。キャフィの将来を心配するロスは止めるがキャフィは応じない。

さまざまな質問にも全く動じないジェセップ大佐に対し、キャフィは命令系統が絶対であればありえない矛盾を突く。

窮地に立たされたように思えたジェセップ大佐。裁判長も検事も、キャフィの質問に答える必要はないと言う。

しかし大佐にも国を守る軍人としての信条と信念があった。

前線の緊迫を知らず、現実に敵兵の前に立ったこともない者たち、それを守っているのは厳しい訓練に耐えきった、心身ともに屈強な兵士たちだ。自分はその兵士たちを教育し、統率し、鍛え上げている。

国民の命を預かり、国を守るために必要なことだ。実際に敵の前に立ったこともなく与えられた平和しか知らないお前たちには、自分のような人間が必要なのだと激白する。

激昂する大佐に、コードレッドを発令したのかと詰め寄るキャフィ。大佐はついに、自分が命令したと言い放つ。

大佐は拘束され、ドーソン兵長は殺人と殺人共謀については無罪になる。しかし軍事規範違反については有罪になり、海兵隊を不名誉除隊になってしまう。

海兵隊の誇りを命がけで守ろうとしたドーソンだったが、裁判の中で「自分が本当に守るべきだったものは何だったのか」について考えていた。

反目していたキャフィに敬礼を捧げ、ドーソンはロスと共に去る。

 

それぞれの中に真実があり、正義があり、信条がある世界。誰もが自分の責務を自覚していて、逃げることなくその重責に耐えている。

平和と水がタダの国、日本に生まれ育った私たちには ちょっと遠く感じる世界観ではありましたが、まぁ見ごたえある「ザ・演劇」でした。

私が小西遼生さん狂いなのはご存知の方も多いと思うんですが、実は田口トモロヲさんのファンでもありまして、すっごく楽しみにしてたのよ~!!

期待通りの怪物ぶりで、嬉しくなっちゃったわ(喜)

 

平和な世界に暮らしていると、どこかで誰かがこの平穏を守っている、なんてことは忘れてしまうわよね。海に囲まれ、隣国から攻め込んでこられる心配も(とりあえずは)ないこの国に暮らしていればなおさら。

この作品が書かれた当時の社会情勢やら、アメリカとキューバの関係が実際にどんなものだったのかは詳しくは分からない。

でも「敵が300ヤード先にいる」というジェセップ大佐の言葉は妄想ではなく、動かしがたい現実で、どちらかが口火を切れば即戦闘だったことは間違いない。しかも連日、気温が40度を超えそうな環境で。

そりゃ人々の感謝ぐらい欲しくなるわよ!と、思った。

でもね、いただけないのは保身のためにドーソンとダウニーを切り捨てようとしたことだよね・・・。

自分がコードレッドを発令した、そのために下級兵士が死んだ。その責任を認めれば自分は拘束され、グアンタナモ基地の秩序も名誉も失われる。

その立場は分からないでもないけど。

 

軍隊での絶対の序列、というのはなんとなく想像するけど、私の頭に浮かぶのは せいぜい体育会系の縦社会くらいのもん。

しかし少数精鋭を誇る海兵隊においては、もし上官に「親を殺せ」と言われたら殺さなきゃならない(比喩ですよ)。

そんな世界に身を置くってどんな感じかしら。

しかもその命令は上官の気まぐれや気晴らしのためではなく、国防のために必要。兵士がそう信じているだけではなく、命令を出す上官もそれを信じている。

上官の命令を意味のあるものと信じ、サンティアゴに対するコードレッドを遂行したドーソンも、国防のために強い海兵隊員を育成する、そのためにコードレッドを発令したジェセップも、根幹は同じ。

その「根幹は同じ」という部分をラスト20分でビシビシと感じて、胸が痛くてたまらなくなりました。

↑↑↑↑↑ ここまで ↑↑↑↑↑

 

私ね~、声フェチなんですけど、皆さん声が!とにかくいいんですよ~!

特に法廷のシーンでの、遼生さんの声がたまりません・・・

その声で、私を有罪にでもなんでもしてください!!(違)

台詞の迫力とか、説得力とかで言えば、もちろん皆さん素晴らしかったですよ~。

特にトモロヲさんの声色の違いがね、私にはツボで(笑)

上級上官らしい、きびきびとした紳士的な受け答えから、小生意気なギャロウェイ少佐を揶揄するために下卑た表現をするところ、そしてラストの大爆発と、声のテンションと言葉の激しさがものすごく変わっていくのが!

すごい!!

瀬奈さんのキリッとした少佐姿もステキだし、裁判長の阿部さんも、ケンドリック中尉の菅原さんも、それぞれの立場や思惑、確固たる「自身」を感じる演技で素晴らしかった。

 

ドーソン兵長の生成くんも良かったですね~!

ご本人は闘争心の少ないタイプに見えるけど、厳しい鍛錬を積んできた自信と、信じるものに対する忠誠をヒシヒシと感じる兵士役で説得力ありました。

ラストの敬礼では、お母さん目頭が熱くなっちゃうわ(涙)

そしてそして、主演の淵上さんですが・・・

ごめんなさい、お仕事の評価を全く聞いたことがなかったし、私も存じ上げなかったので正直まったく期待しておりませんでした。

しかし良かった!

初日(2015/6/19)は緊張感の方を強く感じましたけど、回を追うごとにキャフィの成長とリンクして素晴らしくなってた。

チャラい登場、賢い人特有の自分をむき出しにしない感じ、そしてラストの昂ぶりと、劇中の感情との違和感を全く感じさせず、目前に若い弁護士がいると感じましたとも!

 

物語は骨太で、華やかさもないし気を抜けるシーンもあまりなくて集中力が要るけど、演劇好きな人は観るべきだと思える舞台でした。

それにしても、アメリカの考える強さって肉体的というか、ストレートなパワー的というか?

アジアの感覚だと、弱そうに見えても最終的に笑えば勝ち、みたいな狡さもアリと感じるんだけど、合衆国が考える強さは、文句なしの「力強さ」なんだよね。有無をいわさぬ、見たままの強さ。それが「強い」ってことなんだなぁ。

なんてことも考えちゃいました。

このお芝居、男性にぜひ観て欲しいな~!!

そしてそれぞれの中にある、「強さ」に対する定義を考える材料になるといいな、と思います。

パンフレットは薄かったけど、読みごたえはありましたよん

そして案の定、グッズ買いまくっちゃった(笑)銀河劇場+遼生さんの組み合わせはお金使うわ~(笑)

ア・フュー・グッドメンは天王洲銀河劇場で2015年6月28日まで公演中。私もあとちょっとだけ観に行けるので、楽しみにしております。

 

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  カテゴリー:映画・観劇  


2 Comments »

  • お久しぶりです。
    私もこれまで2回観劇しました(ラッキーなことにいずれも最前列、法廷で小西さんが立たれる上手側)。
    いつもより髪を短くされ、軍服も誰よりも似合っていらっしゃいましたね。
    内容と感想は、まみろうさんのレポが全て的を得ていていつもながら感心してしまいます。
    「そうそうその通り」とその場面がよみがえってきます。
    本当に骨太な見ごたえのある舞台です。
    エンターテイメント的な作品も良いですが、小西さんのおかげで「スリル・ミー」や「ア・フュー・グッドメン」のような素敵な作品に出合えたことに感謝です。

  • >ヨッコさん、いらっしゃいませ。

    あら?!上手側の最前ですか?じゃ、私の目の前にいらしたのかもしれませんね(笑)
    遼生さんの軍服姿たまりませんでした~、敬礼姿も歩く姿もステキでうっとり眺めてましたよ~。

    ほんとうに見ごたえのある、良いお芝居でしたね。
    レポをほめてくださってありがとうございます。嬉しいです。

    役者さんのファンで観に行って、作品自体をすごく好きになる、ってことよくありますね。自分の世界が広がるようでとても嬉しい事だと思います。

    私も、これからも遼生さんには良いお仕事をして欲しいですし、彼が出ていない作品も色々見て視野を広げたいなーと思っています。

    コメントありがとうございます。


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