舞台「ダム・ウェイター」を観てきました

伊礼彼方さんと河内大和さんのふたり芝居、「ダム・ウェイター」を観てきました。

下北沢の劇場で芝居を観るのがもう、5年ぶりっていうね。まんまと迷いましたけどw

まず、入り口が「劇場入口」とはわからない。

スタッフさんに「どうぞ~」とにこやかに迎えられドア内に入るとすんっごい急な階段。

劇場というよりライブハウスだね~と思いつつ降りると、舞台は壁にそって角にあり観客は2方向から観る。

ふたり芝居を2方向から観られるなら、両方から観るべきでしょう!というわけで行ってきました。

会場は小劇場楽園、演出は大澤遊さんとはじめましてな感じでしたが、もーーー面白かった!

あらすじ

二人の殺し屋ベン(河内大和さん)とガス(伊礼彼方さん)は、
地下室で仕事の指示を待っている。
するとそこにあるダム・ウェイター(料理昇降機)が
突然動き出し、中には料理のオーダーが
書かれた紙切れが入ってる。
奇妙な指示に踊らされ、困惑する二人。
これは何を意味している?
何を試されている??
不可思議な時間を繰り返していた時、
そして、そこへボスからの指示が・・・

引用元:https://www.the-dumbwaiter.com/

意外とコメディでした、ラスト以外は。

全体的な印象で言うと、「時々不穏で、ラストがエグいコメディ」でした。

笑っちゃうとこが多いのね。そしてこれ、英語だともっと可笑しいのかも?と思ったり。

不条理劇の傑作、と紹介されることが多いみたいですけど、あまり不条理とは感じなかったな。

ただ何にも説明されないし、何も明確じゃないから、答え合わせしようとすると底なし沼に落ちたような気持ちになりそう(笑)

ネタバレしますと、誰を殺すのか指令を待ってる殺し屋ふたりが、なぜか突然動き出した料理昇降機のオーダーに応えようと、ガスが持ってたお菓子や飲み物を送り込む。

そしたらオーダーとは全く違うのにそれには触れられず、次々とオーダーがメモで降りてくる。

肝心の指令はなかなか来ない。なんでこんなことに?ってイラついてるふたりは口論したりするんだけど、ふとガスはキッチンとバスルームがあるドア中へ。

すると料理昇降機わきにある伝声管から指示があり、ベンはターゲットが入ってくるドアに銃を向ける。

するとそこから憔悴した様子で入ってきたのは、下着姿のガス。

ベンはガスが入っていったはずの、逆向きのドアをチラッと見る。銃はガスに向けたまま。

で、幕。

・・・わけわかんないよね(笑)

こうやって記事を書きだしといてなんですけど、文章で書き表すことが出来ると思えない。あの感じ。

最初、昼の部で観た時は「これはガスが繰り返し観てる悪夢なのか?」と思ったんですよ。

兄貴分のベンとツーマンセルで仕事をしてきたけど、どちらか1人しか残れないことになり、若いガスはベンを殺した。

その後悔というか苦悩がガスに見せてる夢なのかなと。

ベンがずっと繰り返し読んでる新聞、そこに書かれてる事件の不思議さ。

ラスト近く、具体的な事件の内容は言わずに憤りだけを繰り返すベン、それに気のないあいづちを返すガス。

まるで悪夢のようだと思って。

だけど夜の部で2回目を観た時に、あ、これは夢とかじゃないんだ、ガスは始末と決まって、ベンが処分するんだ。

とスコンと納得しました(私の解釈ですよ)。

違和感の元について考えると面白い

冒頭、ベンが新聞記事をふたつ読み上げて「どうしてこんなことが!」って憤りを顕わにするのね。

ひとつは「老人が車の並んだ道路を渡りたくて、その車の下に入り込んだ」

もうひとつは「小さな女の子がナイフで人を殺した(だったかな)」

それらを聞かされたガスの返答が違和感満載。

「誰がそいつにそんなことをしろと言ったんだ?」

んんん??

必ず誰かの指示がある、というのが前提なんですねガスさん。

つまりガス自身、指示に従って生きてきたわけかと。

しかしセリフの中にはその指示を疑い始めてるな、掟を厳格に守る気持ちもあまりないな、というニュアンスのものも。

直前の若い女を殺した仕事がトラウマになってるぽいし、なぜ?なぜとベンを質問攻めにする。

ガスはもう、組織にとって不安因子なのかもしれない。

ベンは最初からガスを処分することに決まってたのかな。

どうやらここへ来る途中、一度車を止めたらしいんだけどね。

何も起きず、誰ともコンタクトしなかったあの停車は?とガスに聞かれて、ベンはただ
「俺たちは早すぎたんだ」と答える。

あれはベンがガスを逃がそうか悩んだ停車だったのか、それともベン以外の誰かがガスを処分しにくるはずだったのか。

だけどだけど、伝声管から指示があり、ターゲットが来るぞ!って時、ベンは必死な声でガスを呼ぶの。

それはまさに兄貴分が弟分に仕事だぞ!って呼びかけるニュアンスで、最初からガスを殺すことになっていた、とは思えないなー

と、このようにグルグルと考え続けられる演目でした。だいすき(笑)

ガスはたぶん女の子にモテるタイプね。お調子者で楽しむことが好き。頭はちょっと悪いけど感覚的で野生動物みたいなヤツ。

ベンは慎重、品格にこだわってる感じ。プロとしてクールであろうとしてるけど、実はちょっとビビリ(笑)

で、これ

「間抜けな待ち人」は殺される運命を知らないガス、
「物言わぬ給仕人」つまり文句を言わずに働くのは、より高位な権威(組織ね)に従順なベン

なのかなと思いました。

そういえば、なぜ昇降機でオーダーが降りてくるんだ?って話の時に、

「ここは昔レストランの厨房だったんだ、上の持ち主が変わってここが厨房でなくなったことを知らないんだ」

みたいなのがありまして。そのまま受け取ると

「んなわけあるかーい!」

ってなるんですけど、あれは組織が変化した、って意味だったのかも知れないな~。

すごく面白かったし、おふたりの芝居でまた観たいと思いました!

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