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火車 宮部みゆきが面白いわけ

今さらいうまでもなくメジャーな作家、宮部みゆき氏。

わたくしも大ファンのひとりです。

もしこれから初めて宮部氏を読む、という方がいるとしたら、最初にお勧めしたいのはやはり「火車」ですね。

宮部氏の代表作はそれこそたくさんたくさんありますが、この長い物語を読めば、宮部氏の作品の根底にあるまっとうな倫理観とその巧みなストーリーテリングに引き込まれること請け合いです。

ある日突然婚約者の前から失踪した若い女性。残された婚約者から、失踪の理由と彼女の捜索を頼まれる休職中の刑事。女性の足取りを追ううちに、奇妙なことに気づく刑事。

彼女は本当は、誰なのか?

この物語の重要なキーワードは「借金」です。

現在でも潜在的な破産予備軍は大量にいるといわれています。バブルの頃ほどではなくても、ブランド物やプレミアものなど、人々の物欲を刺激し続けているこの経済社会。

ただ幸せになりたかっただけなのに、奈落の底へ落ちていく人々の哀切。

しかしそんな物語の中でも、登場人物が語るまっとうな倫理観が、読んでいるこちらをほっとさせてくれます。

これはつまり、宮部氏がまっとうな倫理観を持っている証なのでしょうね。

宮部氏の作品ではたいがい、普通に一生懸命生きている人が酷い目にあいます。主人公もたいていは普通の人たち。一方ではまともと思える登場人物が、とんでもない悪意を持っていたり。

いずれにしても「平凡」な人が見せる強さ、優しさ、怖さを描き出し、現実世界で生きているわたくしたちにその姿は強く、迫ってきます。

人は怖い。でも人は優しいし、強い。

そんな風に感じる、宮部氏の作品。どれを読んでも面白いです。

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