舞台「オリエント急行殺人事件2020」を観てきました

シアターコクーンで上演の舞台「オリエント急行殺人事件」を観てきました。

これは昨年(2019)夏に、わたくしの愛する小西遼生さん主演で上演された作品です。

あらすじなどはコチラの記事をお読みくださいまし

「オリエント急行殺人事件」を観てきました
アガサ・クリスティー原作の有名すぎるミステリー、舞台「オリエント急行殺人事件」日本キャスト版を観てきました。原作とも映画ともちょっと違うとは聞いていましたが、予想以上にスタイリッシュで軽妙。楽しんできましたよん

ほとんどのキャストが変更になりましたが、演出は同じ河原雅彦さん。

役者陣はメジャーどころが増えて豪華になりました。脚本と演出、音楽は前回とほぼ同じでしたよん。

 

初演はなんたって最推し(遼生さん)が主演でしたんで、それだけで満点つけたいんだろう・・・まみろう・・・

と思われるかもしれません。

しかーし。

実は開幕すぐは、かなり不満だったのよね~。(今明かされる真実 ((大げさ

それは役者さんに対してではなく、演目をひとつのパッケージとして考えたときに、バランスが悪いと感じたってことなんですけど。

でも大阪での公演の間にどんどん変わっていきましてね。

サンシャイン劇場での東京公演の頃には、(ほぼ)満足&納得のいくお芝居になってました。

同キャストでの再演あるいは続編を期待していたんですが、劇場はシアターコクーンに、主演は椎名桔平さんにと変更しての再演になりました。

テンポが悪いと感じた一幕、初演より恐怖を煽られた二幕

キャストが変わると、脚本も演出も同じなのに違うものに感じられる、ってことありますよね。

生の舞台によくあることで、同じ演目を何度も観に行く理由のひとつだったりもする。

しかし、オリエント急行殺人事件に関しては、「ほぼ同じ」と感じられたのがちょっと意外でした。

それってすごくない?

だってどの役者さんがやっても、たどり着く人物像が一定ってことでしょう。

脚本がよく出来ているのか、それぞれの配役の出自を考えるとそうならざるを得ないのか?

ここはちょっと考えたいなと感じたところ。

 

一番違いを感じたのはポワロの人物像。

桔平さんのポワロはね~、本当に「本式」の変人(褒めてる)

ところどころで「むほほ、むほほほほ」って笑うんだけどね。

それがすっごい気色悪いのw(褒めてるんですってば

テンション低めで、落ち着き払ったポワロには余裕を感じます。

その分、松尾諭さん演じるブークは、まだ青さがあるように見えるのが面白かった。

初演の松村武さんのブークも、だいぶ可愛かったけどね(笑)

 

メジャーな役者さんが多いからなのか、一幕はなんだか芝居が重くて、テンポが悪いと感じられたの。

一幕は登場人物それぞれの人物像や地位、関係性を説明する場が多いのよね。

でもそれを、説明セリフくさく感じさせないテンポの良さがあったと思ったんだけど。

今回はなんとなく、役者さんおひとりおひとりが、

「自分の受け持ちの台詞をとても上手にこなし、一拍おいて次の方がまた、受け持ちの台詞をとても上手に言いました」

って感じに進んでて、この奇妙な重たさはなんだろうか・・・と思っちゃった。

 

しかし二幕ではその重さが効いてました!

まぁ怖い怖い。

話を知ってるのみならず、初演を観てますんで、これから何が起きるか分かってるのに怖いのよ。

これはホント凄かった!

シーンとしては怖いところは別にないんだけど、少しずつ少しずつ、隠されていたことが剥がされてむき出しになっていく緊張感。

桔平さんのポワロが謎を解く間も、エモーショナルじゃなく淡々としていて。そこもなんだか不気味で怖かった。

 

大ラスト、ポワロは自分の中にどしんとあった

「正義はイコール法であり、違法はすべて悪」

という柱に、自ら疑念を抱いてしまう。

白黒ハッキリさせて、全ての犯罪、全ての過ちを「悪」として断罪して良いのか───

桔平さんのポワロは、その揺らぎすらもう、受け入れてしまってる。

ブークに心情を吐露する時には、もう焦燥や迷い、苦しみはないように見えました。

役者が変わっても魅力的な登場人物たち

他の登場人物の造形はそう変わらない。

ブークは大らかで楽観的、俗っぽいけど紳士的で、ちょっと抜けてて可愛らしい。

松井玲奈さん演じるアンドレニ伯爵夫人は、ちょっとシャープな印象だったかな。それだけに「医学生」のイメージにぴったり。

初演の伊藤純奈ちゃんには、むせかえるような色気があって

「男性陣が間違いを起こしそう・・・」※劇中の話ですよ

な感じでしたけど(笑)

 

本仮屋ユイカさん演じる家庭教師のミス・デブナムも、賢そうで気が強い。そしてキレイ♡

あ、粟根まことさんのアーバスノット大佐は結構、違ってたかな。

トモロヲさんは「勇敢なバカ」って感じでしたが(役の話です! )、粟根さんは愚直で不器用な感じ。

個人的にはラチェットっぽい役は他でも拝見してるので、大佐役の方が新しい粟根さんって感じがしてよかったです。

車掌・ミシェルはきちんと乗客の皆さんをもてなすホストながら、打ち解けた感もあり。全く事件と関わりなさそうなお気楽・真面目ぶりがラストに活きてました。

中村まことさんはもっと色々やってくるイメージだったんで、初演の田鍋さんを超えてくるかな?と思ってたらそんなことなかったw

高橋惠子さんのドラゴミロフ公爵夫人も気高く、ちょっといけすかない部分もあるお貴族さま。老婦人というには綺麗すぎましたが、そこは初演も同じでしたね(笑)

続投のマルシアさん・美和公さん・室さんは印象通り。

クライマックスのマルシアさんには鳥肌が立ちます・・・すごい迫力だし、悲しいし、苦しい。

ただ私が見た日は、ちょっと元気がないように見えたかな。開幕すぐだったんで、体力温存してるのかも?

美和公さんのオルソンさんは純粋さと芯の強さが増したように思います。

室さんは標準語に切り替えての続投。お芝居の印象は変わらずですが(セリフを言うときいちいち2,3歩前に走り出てくるのが気になる)セリフがとても聞きやすくなってました。

 

遼生ファンとしては続投でなかったのは残念ですが、この演目が面白いことに変わりなかったのは嬉しい。

ものすごい若手だけでやってみても面白いんじゃないかしらと思いました!

繰り返し上演される演目になると良いな。

キャストを変えて上演されたら、その都度また見に行きたいと思える作品でした〜。

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