7年前、永遠の仔を読み辛すぎてしばらく立ち直れなくなった(笑)天童荒太の直木賞受賞作、「悼む人」
。読んでしまいましたよ。
様々な理由でこの世を去った人々。その無くなった場所を訪ね歩き、死因にも状況にも関わらず
「その人は誰を愛し、誰に愛されていたか。どんなことをして、感謝されたか」
のみを調べ、どんな形の死であっても同じく一個人として「悼む」青年の物語。
大きな事故があると、「死者○○人」と数の表現になってしまい、亡くなった方ひとりひとりが誰とも取り替えの利かない一個人であったことを忘れてしまう。非業の死だろうと、クズ同士の小競り合いでの死だろうと、ひとりの人間が消滅したことに変わりはないのに、なぜ忘れていくのか?なぜ数字に、記号になってしまうのか?かけがえのない特別な人として、全てを覚えておこうとする青年の行動と、彼を取り巻く人々の物語。
正直、しんどいです(笑)好き嫌い分かれると思いますね、これ。
まずプロローグでひと泣きさせられますが、物語は圧倒的に、後半が面白い。救済はあるのか、壮絶な過去に囚われた人物に、転換は訪れるのか?ハッピーエンドとは言いがたいラストではありますが、清廉な魂に触れたような厳粛な気持ちになります。
その人が生きた証って何でしょうね。
私がいなくなって、私を知っている人が誰もいなくなっても、私が生きていたという事実は誰にも消せません。
私が誰を愛し、誰に愛され、何をして感謝されたのか。
誰も覚えていてくれなくても、私がその時さまざまな感情を「感じた」ことは消せないのです。
それこそが、生きた証。
こう思うのは、何もなくても親の愛にだけは恵まれて育ったからかもしれません。親の愛は偉大ですよ。天童作品を読むと、なおさら思いますね。
沈痛な話が苦手な方は読むのが重いと思いますが、子を持つ親ならぜひ、ご一読あれ。魂に響くものがあるはずです。
カテゴリ:本読む暮らし
2009年1月29日 20:17 |コメント(2) |▲このページの上に戻る
本のご紹介ありがとうございます。
ちょうど「空中ブランコ」読みおわったし、(っっていうか、邪魔とのギャップが...)
さっそく図書館で予約と検索してみれば750人くらいの予約待ちだったので「永遠の仔」予約しました。
6人待ち。
重いの好きです~
また教えてくださいね。
>のこさん、いらっしゃいませ。
本のレビューは今まで「本読む暮らし」ってブログに書いてたんですけど・・・記事が100件超えちゃって。管理が大変みたいです。管理するのは夫なんですけど。と、いうわけで今後はこちらに書くことにしました。
ははは!奥田英朗サイコーでしょ?!同じ人が書いたとは思えないよね(笑)どちらにしても悪ふざけみたいな展開が好きなんだぁ、私。
で、天童荒太もね、好き嫌いは分かれると思うんですけど、じわじわきますよ。しかし750人待ちは凄い(驚)
コメントありがとうございます。