スカイ・クロラが好評上映中の押井氏の、「凡人として生きるということ」と共に刊行された本。
まるでビジネス書のようなタイトルだけど、実際の内容は「スカイ・クロラ」の企画を受け、撮影・公開するまでの手法というか、"今の"押井的映画作りと仕事論。
主張はたったひとつ、「他人の話を聞け」。ただ、それだけ。
これだけ聞くと、今までの押井作品の根底にあったように思う「分かるやつだけついてこい」感に惹かれていたこちらとしては戸惑います(笑)
でもね、「凡人として生きるということ」を読んだときに、押井氏個人に非常に好感をもったのと同様に、若い人への愛情と慈愛に満ちた「おとっつぁんの助言」がとても心地よかったの。
押井氏、最近あちこちのメディアで「僕は人の話を全く聞かず、自分の主張を絶対曲げなかった。その結果仕事もなかったし、作品も自分の頭で考えつく程度の深みのものしかできなかった」と言ってますね。
大人になると、若い頃の自分のイタさを思い出してはのたうち回り、顔からどころか全身から羞恥の炎を噴出させ息も絶え絶えになったりしますが、そのイタい経験から得るものってとても大きいし、自分という人間の軸を作ってくれるものだからすっごく大事。
どうやっても必ず失敗はするもの。そこから次をどう構築するかを考えるのが、生きてる醍醐味というものなのよ。
何かを一生懸命やることでしか、「生きて、成長している」ことを感じるのは困難。
人と自分の違いを受け入れましょう。そして、共存を目指しましょう。
ところでこの本、エピローグがとても長い。
意外なことに、押井氏の生い立ちやプライベートが書かれています。
個人的には意外なこと(それを書いたこと)だったけど、なんとなく、今押井氏が「若さそして恋愛」を描くスカイ・クロラを撮ったことが納得できる気がしました。
いい歳のとり方をしたのですね。
スカイ・クロラも観に行こうと思ってます。
カテゴリ:本読む暮らし
2008年9月10日 15:07 |コメント(0) |▲このページの上に戻る