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舞台「ミュージカル パレード」を観てきました

気になった舞台は、時間が許せば観に行こうと思っている まみろうです。

ミュージカル「パレード」は、どうするか結構、迷ってた作品なんですけどね、実は。

見逃さなくて本当に良かったと心から思ってます!

主演は石丸幹二さん・堀内敬子さん。

共演者には石川禅さんや新納慎也さん、岡本健一さん・坂元健児さんと気になる人は多いけど、どうしよっかなーと思ってたの。でも演出が森新太郎さんだし、ここはやっぱ観ておこうと思ってね。

結果、正解でした。どうにかしてもう一度、観られないかと考えてる(画策)

 

お話は南北戦争から半世紀も過ぎた頃のジョージア州・アトランタで起こった、13歳の少女が殺害された事件を題材にしています。

と、いう風に聞いてたんだけど、「題材にしている」どころじゃなかったのねコレ。劇中に出てくる主要な人たちは実名だし、展開もほぼ史実どおりではないのかと思われる。

もちろん、その場で交わされた会話などはセリフ通りなわけないし、あくまでも「舞台作品」という形ではあるけど・・・

あまりにも「そのまま」で、受ける衝撃がハンパなかった( ゚∀゚ )

 

ネタバレしないあらすじは、ホリプロさんのサイトで → ミュージカル パレード:STORY

ガッツリ真相を知りたい、という方はコチラへ。※閲覧注意なお写真があります → ウィキペディア:レオ・フランク事件

いや酷い話で、ドーンときます。

本当に素晴らしいミュージカルでした。でも、勧める相手は選んじゃうなって思った。あの子には勧めたいけど、あの子にはダメだ、しばらく立ち直れなくなるだろう・・・みたいなね。

夫には観て欲しいけど、息子にはまだ観て欲しくない、と思ってしまう、そんな作品でした。

 

さてネタバレ気にせず書きますよ。これからご覧になる方はご注意くださいませ。

なんといっても曲が!ものすごく良かった。曲調はバラエティに富んでるし、難解なのにキャッチーなメロディラインは、すっごく耳に残って音源が欲しくなる。

帰ってきてから、音源を探し回りましたわたくし。Amazonで見つけて買いましたわ。→ Parade: The Original Broadway Cast Recording

もうね~、曲が良くて好きになるミュージカルは多いけど、パレードは特別。こんなにハマッたことない。歌声で泣くタイプの人は、100%ヤられる(断言)

 

演出面で印象的だったのは舞台に降り積もる紙吹雪。小さな正方形の紙片ではなく、けっこうな大きさの短冊形でね。色とりどりの紙片が、やり過ぎじゃないのかと思えるほど、冒頭から降り注ぐ。

それは祝賀パレードの際に街中を埋め尽くす紙吹雪を表現しているというより、人の気持ち(この場合は嫉妬や憎悪)のエネルギーが、真実を覆い隠すさまを表わしているようで、降ってくるたびザワザワしたわ。

あと、舞台の真ん中に象徴的に立つ木。どっしりと、でも奇妙にゆがんで枝を伸ばしているようにも見える木が、真っ赤な背景から浮き上がるように立っていて、それがなんともいえず不気味だった。

舞台の上で大きな旗を振るシーンがあったり、けっこうな高さのあるセットが動いたりと、思っていたより躍動的だったのも、印象的でした。

人々が持つうねりというかエネルギーは、正しいにしろ間違いにしろ、強大なものになり小さな意見や真実を飲み込んでいく。その構造が心底怖いと思ったわ。

 

セリフや歌詞にね、何度も「わからない」「意味がわからない」って出てくるの。確かに、なんでそうなるのか観ていてもわからないことが、どんどん起こる。

どうして彼女は死ななきゃならなかったのか、どうしてレオは濡れ衣を着せられなければならなかったのか。ユダヤがどうしてそんなに憎いのか。

レオという「個」ではなく、ユダヤ人という「記号」を憎んでやまない人々の、良心も恥もないのかと思わせる嘘も、観ていて「なんでよ!!」と叫び出したくなる。

理解できない「わからない」もあるし、理由を知りたいと願う「わからない」もあるけど、ほとんどが明かされない。というか、答えなんて最初から無いんだ、と思い知らされて苦しくなる。

そしてふと、「あの状況になっても、自分は正しい道を見つけられるだろうか」という考えが頭をもたげて、怖くなります。

 

劇中のレオは、北部から来た「経済的に成功したユダヤ人」ってだけじゃなく、あまり人に好印象を持たれるタイプではなかったのね。そこがよけいに、悪い展開を呼んだのだろうと感じられるのも、悲しい。

奥さんのルシールのことも見下してるし、弁護士とのやりとりを見ててもそう感じるのよね。

そのレオが、絶望的な状況下で少しずつ変わっていく。初めは脳天気なお嬢さん然としていたルシールも、夫のために闘い、何もできない女ではなくなる。

ルシールと分かり合え、愛を実感し本当の夫婦になった・・・と感じてからのバッドエンドは、現実にあったことだなんて信じたくなくなります。

実際にこういう奥さんがレオにいたのかはわからないけど、少なくとも劇中では、ルシールがいてくれて救われたと感じるわ。

あと、スレイトン知事にもね。あの奥さんがいてくれたからこそ、スレイトン知事もレオの減刑に踏み切れたし。結果はハッピーエンドにはならなかったけど、少なくとも彼は無実を確信しながらレオを死刑台に送らずに済んだ。

 

帰り道、この題材を、なぜミュージカルにしたのだろうと考えてたんですけどね。どう考えても、感情を曲にのせて歌い上げてる場合じゃ無いんですよ、状況が。でも、素晴らしいと感じた。それはなぜか。

それは楽曲の良さもあるけど、題材の中心にある、大勢で誰かを陥れるという図式が、いわゆる「祭り」だからなんだと感じました。祭りには音楽の昂ぶりがしっくりくるよね。

これ、思い至ったとき身震いしたわ。今でいえばSNSの炎上も、祭りって表現することがある。真実がどうであろうと、面白いとか、自分にとって都合がいいとか、暗い昂ぶりを求めて参加してしまう祭り。

某国の大統領閣下が特定の民族を排除するなど、個でなく記号で人を判断する、他人事じゃない問題が起きてる現在、上演されることに意味があると感じた作品でした。

ミュージカルパレードは、2017年6月4日まで、東京芸術劇場プレイハウスで上演。

大阪公演が2017年6月8日から10日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで。大千穐楽は名古屋で、2017年6月15日、愛知県芸術劇場大ホールで行われます。

地方公演は、チケットまだあるみたいです!ぜひ~

  カテゴリー:映画・観劇  



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