まみろうチャンネル
まみろうチャンネル > 映画・観劇 > 2016年後半から観たお芝居の話を、ざっと駆け足で。その2

2016年後半から観たお芝居の話を、ざっと駆け足で。その2

2016年後半から2017年3月まで観た、お芝居の話の続き。
(前半は>>コチラ

2016年12月半ば、DDD青山クロスシアターで上演されていた「Take me out」を観ました。

メジャーリーグのロッカールームで、ある選手の告白により巻き起こる軋轢。そこから浮き上がる、アメリカが抱える多種多様な問題点。

野球がまっったく分からない私でも楽しめるかしら・・・と思いつつ行きましたけど、まぁすごい作品でした。

まずは会場に入ってビックリしたよね。椅子は可動式、というかフツーの椅子なので、どんな形状のステージにも出来るというのは分かってましたけど。

真ん中にステージがあり私の席はステージの向こう側。自分の席に着くために、ステージの端っこに、いったん乗るというね(笑)

 

これ、絶対途中退席できないわね・・・と思いつつ席に着きました。一番後ろの席だったけど、劇場自体が小さいんでステージに近かったし、見やすかったわ~。

再演が決まってるんですよね、これ。すごく良いのでぜひぜひ。ただ、見終わってまず思ったのが、作品が提起するものと、チケットを売る時の「見所」の乖離についてという。

若くて綺麗な男の子たちがロッカールームで半裸に・・・みたいなトコがだいぶフューチャーされてましたけど、そんなのどうでもよくて。

多面的な問題を抱えた国、人、実力と偏見、差別と逆差別、ヒーローは善人でなく聖人であれというマスの意識、もう本当に想起することが多くて、いったい何から考え始めたらいいのかわからないくらい。

でも今自分で打ち込んでて思ったけど、そういう作品ですって言ってチケット売ったら売れないよね(笑)んー

ともあれ良かった。これはまた観たい。

 

そして2016年の締めは、下北沢駅前劇場で上演された「幽霊でもよかけん、会いたかとよ」でしたん

貫地谷しほりちゃんが妹、駿河太郎さんが兄で、お父さんが渡辺哲さん。

上京し女優を目指していたものの、芽が出なかった妹が、母親の急死をきっかけに地元に帰る。母の四十九日まであと少し、という時に倒れた父親が言った寝言、

「幽霊でもよかけん、会いたかとよ。おまえに聞きたかったことがあったのに・・・」

を聞いた兄妹は、周囲の人たちの提案と協力により、母とソックリな妹が幽霊のフリをすることになるが・・・

ってお話。

これね~、すっごい面白かったの。笑ったし、ジーンときたし、ほんわかと幸せな気分になれて、年末にふさわしい演目で良かったわ。

しほりちゃんはじめ出演者がみんな うまくて可愛くて、年代とか好みとか、あまり問わずに楽しめるお芝居だったなーと思う。

あと、しほりちゃんの剣道着と竹刀が似合いすぎてて、個人的にかなりツボに入った(笑)

 

そういえば、着席したらもう終演まで出られない、って感じの小劇場でお芝居を観たのは久しぶりだったな。

わたくし、もうかなり前なんですけど、下北沢の某劇場でですね、過呼吸を起こしそうになったことがございましてね。

それは劇場には責任のない、私の体質というか、その当時の体調によるものだったんだけどさ、それ以来、小劇場恐怖症気味だったのよね。

でも一昨年かな?DDD青山クロスシアターで観劇した際、

「あ、大丈夫かも」

って思えて、この演目も観に行ってみたの。なんの心配も不都合もなく楽しめて嬉しかったので、今後もせっせと出かけていきたいと思います。はい。

 

さて2017年に入りまして。

年明けの観劇初めはシアタークリエで上演されていた「お気に召すまま」

柚希礼音さんは初めてでしたが、可愛いしカッコいいし、性別不詳・年齢不詳な感じが独特だなぁと思った~宝塚の男役出身でも、こういう人は珍しい気がする。声が好き。

ジュリアンさんも初めて。あまりにも造形が美しくて、日本語でセリフを言ってるのが不思議な感じがした(笑)

笑わせようとする芝居はまったくないのに、真剣にやってることがおっかしくて笑ったわ~笑えるシェイクスピアはいいよね。観劇初めにふさわしい演目で楽しみましたよ。

マイコちゃんが脳天気で可愛いお姫様だったり、橋本さとしさんが1幕では出オチ担当(?)だったのもツボで楽しかった(笑)

あとね、青山達三さん!シェイクスピアのセリフがあんなにしっくりくる役者さんをまだ私は知らない。もう大好き(嬉)

アメリカ人のシェイクスピア演出って本当に自由度が高いな~と思う。私からみたらイギリス人もアメリカ人も同じように見えるのに、やっぱり違うんだよねぇ、内包しているものがさ。

そんなことを考えながら観てました。

 

1月半ばには、通ってた「フランケンシュタイン」とマチソワで「世界」

フランケンが熱量の多い、ズシンとくる作品だったんで、それとマチソワで赤堀さんの作品観て私の体力もつかしら・・・と思いましたが楽しかったです(笑)

風間杜夫さんが超絶めんどくさいオヤジで、大倉孝二さんがその息子で、鈴木砂羽さんはスナックのママで息子の愛人で・・・と既視感を感じるというか

「あるある、こういう人間関係」

と思っちゃうような矮小な世界が、ちょっとだけグロテスクに感じるのはなぜなんだろう。

そこで繰り広げられる、なんでもない日常のちょっとずつのほころびを、笑ってみてるうちにこれまたなんとなく、居心地が悪くなってくる。

赤堀さんの作品好きだわ~。問題提起されて考え込む芝居と違って、自分はなぜあのシーンでこんな気分になったんだろう、って考えはじめるというね。

他の芝居を観たときには起こらない現象が起きます。観られて良かった。

 

2月に入りまして、初旬は「ミュージカル手紙」

弟役が太田基裕くんと柳下大くんのダブルキャストでしたが、私は基裕くんの方を観に行きました。

東野圭吾さん原作のこの作品、ミュージカルにするってどうやって・・・と思いましたが、すごく良かった。

2017年のは、再演なんですよね。初演は観てませんけど、評判良かったのは覚えてます。

個人的には映画より舞台の方が好きです。映画はね、山田孝之くんがひとりで背負ってたからね。

由美子役、なぜ沢尻エリカにしたし(ここで言っても)

 

もひとつ、個人的な好みの話をすると、東野圭吾さんの作品ってモノによって、クオリティの差が激しいと思う。手紙は、そこまで好きな小説じゃないんですが、ミュージカルは良かったです。

周囲の人たちの過剰な反応も、ユウスケや由美子の どうかしてると思うくらいの献身も、ミュージカルという舞台装置の上では説得力があったと思う。

そして何より、吉原光夫さんの兄と太田基裕くんの弟が、芝居もお歌も すっごく良かったんです。柳下くんのも観とけば良かったなー。DVDは予約しましたけどね。届いたら友だちに押し貸す。うむ。

 

2月半ばはシアターコクーンでケラさんの「陥没」

ひたすら楽しく笑わせておいて、突然ズンとくるひとことを差し出してくるのが、苦しいけど好き。芝居好きって基本、Mなんじゃなかろうか。といつも思う、ケラさんの作品観ると(笑)

昭和三部作の三作目ってことなんですけど、私は前二作を観ておりませんで。不勉強で申し訳ないけど、これは楽しませてもらいましたわ。

東京オリンピック間近の高度成長期、爆発的なエネルギーの中で普通に暮らしてる人々の、ちょっと普通じゃない出来事。犬山イヌコさん・山西惇さん・緒川たまきさんが、ズルいくらいうまくて笑った笑った(笑)

昭和時代って、何より今と違ってみんなちゃんと役割をわきまえてた気がする。大人は働いて、子どもは勉強して、っていうようなね。もちろん、そうでない人たちも沢山いたんだろうけどさ。

親は子を見守り、子どもは大人を尊敬して・・・っていうのが、基本的な在りようだったんだなと感じる。

あとさ、今とは言葉が違うよね。昭和の言葉遣いって、角がピンと起きてるような話し方だったなって思う。必要な場では、あれがちゃんと出来る人でありたいとしみじみ思ったな。

作品中の言葉遣いが、とても綺麗だったので。

これもDVD予約したから、届くのを楽しみに待ちたいです。

 

2月の最後は東京芸術劇場プレイハウスでNODA・MAPの「足跡姫」

亡くなった十八代目中村勘三郎さんへの愛とオマージュが詰まった作品だということでしたが、不勉強なわたくしには、どのへんがどのように詰まっていたのかはわかりませんでした。うう。悔しい。

しかし楽しみましたよ~特にね、女優陣が。鈴木杏ちゃんも宮沢りえさんも素晴らしかったし、池谷のぶえさんの芝居も大好きだった。

りえさん演じる阿国が言う、「裸じゃなく、踊るときに私をぐわぁっと突き動かしているものを見せたい」というセリフが、芸事をしている人すべての気持ちなのかなって思いながら観ました。

そういえば、これは前方席で観てたんで、劇中で配るチラシを りえさんからもらっちゃった

家宝にしようw

野田さんの作品って、可笑しさと一緒に残酷を手に乗せて差し出されたように感じるものが多くて、それがとても好き。自分の中の、奥にあるものが揺れて、その正体はなんなんだろうって考える。たいてい、答えは出ないけど(笑)

人って生きてるだけじゃ余っちゃうなにかを昇華するために、祭りや芸能が必要なんだろうなぁ。

あ、あとね、足跡姫のパンフに載ってた、古田新太さんのお言葉

「褒められて伸びるのではなく、褒められたくて伸びるタイプ

というのがとても好き(笑)私も使わせて頂こうと思います。

 

さー現在に近づいてきたよ(笑)

3月半ばには、世田谷のシアタートラムで「炎 アンサンディ」を観ました

これはもう、何をどう言ったらいいのやら。レバノン・ベイルート出身の男性が書いた、ギリシャ悲劇を思い出させつつ、中東の現実を突きつけてくる作品でした。

内戦も、迫害も、どん底の諦念も経験がない私には、とても感情移入させてもらえる題材ではなかった。ただただ圧倒され震撼したけど、世界が混迷しているこの時期に観られたことは、とても意義があったと感じました。

麻実れいさんがもの凄くてね・・・セリフが静かに、そうっと足下から這い上がってくるようで、座ってるのに時々めまいを感じるほどだった。

愛する人との間に生まれた子ども、望まれず生まれて来た子どもたち。共に生きるために明かされない真実。万人受けする作品じゃないだろうけど、繰り返し上演されるにふさわしい演目だと思う。

上演されたらまた行きたいわ~。気力体力が充実してる時じゃないと、ヤられそうだけど。

 

そして先週末は、息子と新橋演舞場で上演中(2017年3月28日まで・2017年4月2日から25日まで、大阪松竹座で上演)の「コメディ・トゥナイト!」

ローマで起こったおかしな出来事、なのに江戸版。ミュージカルなのに、丁稚(笑)

愛之助さんが口八丁手八丁の丁稚で、台詞回しが気持ち良かったし、とにかく笑った笑った~息子も大喜びしてました(笑)

お侍の荒尾役が鈴木壮麻さんと上山竜治さんのダブルキャストだったんだけど、私が観た回は壮麻さんでした。しかしこれだけ年齢差のあるダブルキャストも珍しくない?(笑)

下世話でしょーもないエピソードが続くのは、江戸噺によくある感じで違和感がない。セットも衣装も極彩色なのも、お話の世界観とぴったし合ってて良かったわん。

個人的にルー大柴さんの佇まいもツボで大笑い(笑)

亜門さんの演出はやっぱりコメディの方が好きだなぁ。やりすぎ?って感じるとこもあるんだけど、なんか許せちゃう。

ひたすら楽しめて良かったです。

 

はー、これでやっとパンフレット片付けられるわ(笑)

4月は豊洲のIHIステージアラウンドで髑髏城の七人・花に行く予定だし、内野さん貫地谷ちゃんのハムレット、白石加代子さんのエレクトラ、大竹しのぶさんのフェードルとこれまた濃い観劇ラインナップ。

楽しみのためにお仕事がんばりつつ、心を震わせ続けたいと思っております。50代にもなるとね、鈍るのよ、感性も。

スキンケアや身体のメンテと同様、心も手を入れ続けないとなーなんて思いながら、しびれる瞬間を求めて今後も劇場を訪れたいと思います~

  カテゴリー:映画・観劇  



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このページの先頭へ戻る