舞台「エドウィン・ドルードの謎」を観てきました

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シアタークリエで上演されていた、ミュージカル「エドウィン・ドルードの謎」を観てきました。

主演がミュージカル界の帝王、山口祐一郎さま。演出が福田雄一監督と聞けば、観に行かねばなるまいと。

あらすじというか、お話もちょっと予想がつかない感じだったんで、楽しみにして行きましたよ~。

なんで予想がつかないのかって、あらすじが途中までしかないから。なんという、掟破りな演目なのか(笑)

原作に結末がないために、犯人が誰なのかを観客の投票で決める、という前代未聞のミステリー。つか、ミステリーと言っていいの?これ??

だいぶ笑いすぎましたけど?(笑)

途中まであるあらすじはこんな感じ。

 

ロワイヤル音楽堂では、今まさに芝居が始まろうとしているところ。演目はチャールズ・ディケンズの未完の小説、「エドウィン・ドルードの謎」。劇場支配人が役者と役柄の紹介をし、芝居の幕があがる。

芝居は青年エドウィン・ドルードと、その婚約者ローザ・バッドの恋を中心に、周囲の人々の思惑と野心を描き出す。クリスマスの夜、気の合わないインド出身の青年と言い争いになったエドウィンは、翌朝突然行方不明になる。

失踪から半年過ぎても行方も分からず、死体もあがらないエドウィン。彼は死んだのか、それとも・・・?

 

あらすじと言えるのはここまでなんだけど、ここまでの間もお芝居が粛々と進んでいくわけがなく。

いやもう、悪ノリ全開でした(笑)

壮一帆さん今拓也さんは出身の劇団由来セルフパロディな動きだし、平野綾ちゃんはアニメ声で攻めてくるし。ずっと笑いっぱなしだった(笑)

あらすじが途中までしかない、ってどんな感じになるのかしらと思ってたんだけど、予想以上に皆さま「素」の時間があってですね、それがまた可笑しかった~

 

台本が途中までしかないため、ロワイヤル音楽堂の俳優の面々は、エドウィンが死んでいるのか生きているのかを多数決で決めるのね。そしたら死んだことに決まっちゃう。そんで、2幕は出番がなくなったエドウィン役の壮さんが怒って帰っちゃうことに(笑)

いったん引っ込んでから関西のオバちゃん全開オーラの服装で出て来て、わざわざ客席からハケていくというね。でもライトがしっかり当たってますし(笑)

ここのキレ方も、日によって違ったみたいね。私が観た回は、「もう隣の劇場で、男のフリせんでもええねん!なのになんやのもう出番ないて!!」って言ってました(笑)

で、エドウィンが死んだことになったため、殺した犯人を決めなくちゃならないんだけど、なにせ原作が未完。だから観客が決めてね、って寸法なのね。

 

席についた時に投票用のシートが置かれてて、自分で「コイツだ~」って思う人の番号をちぎって投票するしくみ。

投票箱は美人アンサンブルの方々が持ち、客席通路を練り歩いて集めてました。

私は席が通路から離れてたんで、通路側の人にちぎったシートを渡して入れてもらったんだけど、みんな喜々としてリレーしてて面白かった(笑)

このアンサンブルの方々の活躍ぶりとか、オーケストラの方々への対応とか見てると、福田監督って本当にミュージカルが好きなんだなぁって感じましたよ。

そして観客が選んだ犯人が、エドウィンを殺した動機について歌い上げ、芝居は終わるというわけです。

私が行った回は平野綾ちゃんが犯人だったの。結果発表のホワイトボードを見ながら、役者さん皆で舞台上で、

「ああ~、○○(役名)も結構、票が集まったね~」

なんて話してた。かと思ったら突然、

「では犯人の歌、歌わせていただきます!」

つっていきなりハイトーンで歌い出したんで爆笑してしまった(笑)

ミュージカル嫌いな人がよく言う、

「ミュージカルって突然歌いだしたりしてヘン」

っていうのを逆手に取ったなと(笑)でもね、歌声がものすごく素晴らしいもんで、しみじみ

「ミュージカルの歌唱って職人芸だよなぁ」

って思っちゃったわ~。

他にもツボがたくさんあって、理屈じゃなく感覚で楽しめて良かったです。私はどっちかというと、観た後にアタマ抱えるような演目が好きなんだけど、色々笑い飛ばせるのも楽しくていいねって思いましたよん。

ほかの人が犯人だった回も観てみたかったな~。

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