文章はリズムなのだ。

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文章の書き方を人に教える、ってした事あります?

私はちょっとだけやった事があるんですけど、これがねーホントに難しい。

それまで書いていた小学生の作文みたいな文章を、ちょっとだけ巧く感じるように変えるコツ、みたいなのは簡単なんだけど。

そこから先、「人に伝わる文章を書くには?」みたいな話になると、人に教えるのは難しいわ。

よく、

「本をたくさん読めば文章が巧くなる」

という人がいるけど、確かに全然読まない人よりは、文章に対するセンスはあると思うよ。

でも読めば読むほど巧くなるかというと、それは違うと思うんだよねー。

 

思うに、文章ってリズムなんですよ。

声に出して読んでるわけじゃないけど、文字列にはやっぱりリズムというものがあって、本をたくさん読んでいる人は、読んだ本のリズム感が身に付いているものだと思うの。

だから文章を書かせてみると、良く読んでいる作者のリズムと似ていたりするんです。

自分のことで言えば、私は筒井康隆氏に影響を受けた部分がすごく多いと思う。

それでね、文章の書き方を教えてって人と話してて感じるのは、インターネット上のSNSや、掲示板独特のリズムが染み込んでる人が多いんだなーってこと。

若い人にやっぱり多い気がするけど、どんな文章を書かせても顔文字入れたり、(笑)が入ったりする。ビジネス文書でなければ顔文字を使っても別にいい。

でも書いている内容と文章のリズムが合わないと、すごく違和感を感じたり、何かを揶揄して書いているように感じたりして、不快になるのよ。

いらん誤解を生むような文章を書かずに済むよう、色んなリズムを繰り出せるようになった方がいいよね。

 

そういう意味では、本はたくさん読んだ方がいい。でも同じジャンルのもの・同じ作家のものばかりでなく、全然違うジャンル、読んだことがない作家のものを選んで読むのがコツだと思います。

同じジャンルの小説でも、作家が違うとリズムが違う。逆に、どんな人が書いても一定のリズムが保たれているジャンルもある。たとえば時代小説ね。

江戸時代を描いた小説は、言葉遣いが独特のリズムを持っている。TVや映画で観る時代劇でもそう。

特に「武家ことば」は気持ちいいほどリズムが一定で、途中でそのリズムを止めることが出来ずに読み切ることがよくあります。

長い事、なんで時代物が好きなのか自分でわからなかったんだけど、要はリズムが合うのよ。私。

そういう文章は繰り返し読みたくなるし、こちらにそのリズムが浸み込んでくるから、自分が文章を書くときにも活きてくる。

ただ、好きなジャンルのものしか読まないと、いついかなる時もそのリズムでしか書けなくなる。だから、色んなジャンルに手を出すのがコツだと思うのです。

 

テクニックの話でいえば、緊迫したり興奮を表す時には句読点を入れず長く続けるとか、不安定さを出すにはわざと文章の長さを変えてリズムを狂わすとかありますが、文筆家でもない限り、意識して書くことはまず、ないでしょうね。

一般人である私たちが心がけるべきなのは、言いたいことが伝わるように言葉の種類を多く知っておくことと、最低限のTPOはわきまえておく、ってことぐらいでしょうか。

あとは一度自分が書いた文章を、全く知らない他人が書いたもののように読む視点を持つ、ってことでしょうかね。

たまにありますから。自分で書いてて、何のことかさっぱり分からないってことが(笑)

伝わる文章を書きたいなら、まずは自分に浸みこむリズムと出会うことかなーという話でした。

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