掃除当番 少女期の幻想は、もう過去のもの

「鈴木先生」がブレイク中の武富氏の、1994年から2002年に描かれた短編集。

いやー、これこの絵柄、女性にはウケないだろうね(笑)

劇画タッチという表現だけでは、この異様さ(失礼)は伝わらないでしょうね。

まずは読んでみて欲しいです。

お話の内容も、文章で説明すると「は?」って感じになりそうな。

表題作の「掃除当番」は、掃除当番なのにサボって帰る子、いるけど全然掃除しない子と同じ当番の女の子が、どうして自分はサボらずに掃除してるんだろうと苦悩するお話。

ラストは胸が晴れます。

思春期の女の子は、日々の瑣末な出来事の中で、人それぞれの人生観、価値観を鋭く嗅ぎ分けている生き物です。

不必要に敏感で、不必要に真剣。でもその時期を過ごすことは、やがて母となるために必要な通過儀礼のようなものなのでしょう。

現代の女の子たちは、自分が傷つかない方法を探しまわるのに必死で、疲れているように思えます。

ぞんざいな態度も、だらしない服装も、頭を使わないことも、周囲から浮かないための手段のように感じます。

でもそんな彼女達でも、向き合って話せば、結構人の内面を鋭く見抜いていたりするもの。

もちろん例外はいますけどね。

ところで武富氏の描く少女像は、もはや旧時代の幻影と感じますが、この作風は意図的なもののようです。

文学作品が好きな方には、胸に残ると思えます。

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