スタバではグランデを買え! 分析癖はやっぱり大切よ

最近、難しいと思われている分野のことを、本当にわかりやすく説明してくれる学者さんやプロの方が増えたなぁと思います。

著者の吉本佳生氏もエコノミスト。住友銀行にもお勤めだった経歴を持つという方で、もちろん金融にもお詳しいですが、この本では特に「取引コストに着目した価格の多様性」について色々と説明されています。
正直、前半はちょっとテンポが悪くて(失礼)、読むのがちょっとツラくなります。
しかし第5章以下の後半はホントに面白い。
スターバックスで、ショートサイズとショートサイズの倍量入っているグランデサイズの価格差が100円に統一されているのはなぜかという考察は、最初「本のタイトルが『グランデを買え』なんだし、やっぱりお客にとってその方が得だからグランデを勧めるんだろうな」などと単純に考えていたわたくしの後ろ頭を殴りつけます(笑)
グランデサイズをより多く買ってもらう方が、店は利益が上がるのです。
もちろん、たった100円の追加投資で倍量の美味しいコーヒーが飲めるのですから、お客にとっても得なのです。
つまり両方が得をする、だから「グランデを買え」と言っているのですねぇ。
さすが経済学者、お客だけが得で企業側が損なことは、全体の経済活動を考える上であまりいいことではないということなのでしょう。
うーん、そうだったのか。
他にも100円ショップの価格の低さを支えている構造、本当に問題なのは「経済格差」ではなく「資産格差」であるという筆者の考え、子どもの医療費の無料化の問題点など、本当にわたくしたちは
「経済について、表面的なものしか見ていない」
と気付かされます。
経済についての本ではありますが、卑近な例で具体的に語られているので難解でなく、すっと読める語り口でとても分かりやすい内容でした。
特に、財布の紐を握っている主婦の皆さまにぜひ読んでほしい一冊です。


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