艶女犬草紙 町之介が出会う、運命の女

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貸本屋町之介シリーズの最終巻。これと、前述の「後家長屋」の間に「出合茶屋」という短編シリーズがあります。

武士を捨て、貸本屋を始めて5年経つ町之介が、運命の女性と出会うこの物語、今までの短編とはちがってかなり長い。

毎回のことだけど、江戸時代の「大阪風俗」というものが詳しく描かれていて面白い。「下宿(したやど)」という施設のことや、当時流行った書籍のことなども。

あとがきを読むと、作者の阿部氏、自身も犬をずっと飼ってらしたとか。

それでか、この作品には町之介の運命の女性をはじめ、犬を猫かわいがり(?)する女性達がたくさん出てきます。

女性達がなぜそんなにも愛玩犬にはまるのか。当時の風俗や女性の立場なども踏まえつつ、町之介の語り口の中に出てくるのもまた面白い。

肝心の部分の描写ですがね、すげーえっちですよう。今までの町之介の女たちもそれぞれえっちですけど、今回の「リサ」はね、町之介と身も心も相性ばっちりなのですから。

しかも人妻でもあり、その結婚生活にも色々と影がある。こりゃー燃えなきゃ嘘ってもんでしょう。

犬を介して知り合ったふたりが、どう恋に落ち、どんな事件に巻き込まれていくか・・・。

また、町之介の母や息子の変化、少しずつでも大きくなっている貸し本屋の店舗の切り盛り、そして犬を飼うことで変化していく家族の気持ち。

ただ単に男女の性愛についてのみ書かれたものではない小説だからこそ、その恋の様子が読んでいる者を暖めてくれるように思います。

武士を捨てることになった仇とのからみもあり、かなり読み応えのある一遍です。

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